フリーランスになる、起業する。
そのために現在お勤めの会社を辞めたとき、大きく変わるのが年金や健康保険といった社会保障についてです。
会社に所属しているときは、総務だったり会社の担当が色々手続きをしてくれていましたが、会社を辞めたら自身で調べて手続きしないといけません。
そこで、今回は独立を決めた方も迷っている方もいざという時に慌てないために、会社を辞めて独立する場合の社会保障の基礎知識についてお伝えしたいと思います。
- 会社を辞めて独立したいと考えている方
- 退職後の社会保険制度について知りたい方
- 個人事業主の健康保険や年金について知りたい方
健康保険・介護保険
会社を退職後の健康保険については、退職前に考えておく必要があります。
主な選択肢は4つです。
- 国民健康保険
- 現在加入している社会保険の任意継続健康保険
- 国民健康保険組合
- 家族の扶養に入る
現在お勤めの会社を辞めたとき、大きな負担となってくるのが健康保険料です。
事前にそれぞれの金額についてしっかり調べておきましょう。
国民健康保険
独立して個人事業主となったら、基本的に国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険の保険料は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村に確認しましょう。
加入手続きは以前の健康保険の資格喪失後から原則14日以内となっています。
お住まいの市区町村役場で手続きしましょう。
手続きには離職票や資格喪失証明書等が必要になります。
任意継続健康保険
現在加入している社会保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上ある方は、任意継続健康保険という選択肢もあります。
任意継続の保険料については現在のお勤めの会社、または加入している健康保険組合に確認しましょう。
ただ、まだ退職するかはっきり決めた訳ではないので会社に気づかれたくないという方は、現在負担している保険料×2倍を計算するとおおよその金額がわかります。
任意継続はそれまで事業主が負担してくれていた分も自身で負担することとなるため、多くの方が現在の保険料の約2倍の金額となります。
※保険料には上限があるので全ての人が2倍となる訳ではありません
また、任意継続の加入期間は2年間となっているため、満了後は次の健康保険への加入手続きが必要となります。
国民健康保険組合
また、独立後の業種によっては国民健康保険組合という選択肢もあります。
加入できる国民健康保険組合があるか、一度調べてみるのもおすすめです。
例えば、
- 文芸、美術及び著作活動に従事している方のための、「文芸美術国民健康保険組合」
→デザイナー・ライター・フォトグラファーの方も対象です - 東京都内の事業所において美容の業務に従事している方のための、「東京美容国民健康保険組合」
などがあります。
もし加入できれば、保険料が一定というメリットがあります。
家族の扶養に入る
収入によっては、家族の扶養に入るという選択肢もあります。
ただし注意が必要なのが、この場合の収入には失業給付金も含まれます。
また、健康保険組合によっては、開業届を提出した場合は収入金額に関わらず扶養から外れる、といった規定が定められていることもあるということです。
扶養に入れるかどうか、事前にしっかりと確認しましょう。
被扶養者となる場合は、ご家族の会社に申し出をして手続きをとってください。
国民年金
配偶者の扶養に入る場合は、健康保険と一緒に年金の第3号被保険者となる手続きをとってもらいましょう。
それ以外の方は国民年金の手続きが必要です。
こちらも退職後14日以内に手続きが必要です。
手続き方法はお住まいの自治体に問い合わせしていただければと思いますが、大抵の場合、離職票・年金手帳・本人確認書類が必要となります。
また、年金の保険料は月単位での計算となりますので、月の末日に加入している年金の種別で納付が変わってきます。
雇用保険
失業給付
独立する場合であっても、退職後、求職活動と並行して創業の準備・検討をする場合は失業保険の受給対象となります。
受給要件に当てはまる方は最寄りのハローワークへ行って手続きを行いましょう。
手続きには離職票が必要になります。
また、退職後すぐに創業して失業保険の受給対象とならない場合も、事業を開始等した方が事業を行っている期間等は最大3年間受給期間に算入しない特例が2022年7月1日から新設されています。
そのため仮に事業を休廃業した場合でも、その後の再就職活動に当たって基本手当を受給することが可能になりますので、こちらの特例の申請手続きを行なっておくと安心です。
再就職手当
退職後、創業準備にかかる期間によっては再就職手当を受け取ることができる場合があります。
ただし再就職手当を受け取った場合は上の特例の申請はできないため気をつけてください。
まとめ
今回は会社を退職し、独立開業する際の健康保険・年金・雇用保険について見てきました。
独立開業には、やるべき手続きがたくさんあって大変かと思いますが、何か想定外のことがあっても対処できるように、できるだけしっかりと準備しておくことが大切です。
また、創業のタイミングについてもしっかり検討する必要があると思います。
もし、今回お伝えしたこと以外でわからないことがあったり、悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
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